乃愛 写真展

2025/12/1~12/31

~Charm archives pt.1~

アーティスト:Guramette

【展示への想い】

この展示は、私が人生のある瞬間に感じた「魅力」を記録したアーカイブのようなものです。

その瞬間に感じた強い感情や感覚――それらは、私自身の知覚を取り込み、現実を少し変化させた形で残すに値するものだと感じました。 Part 1 として発表しているのは、私自身が変化し続けており、それに伴って世界の見え方も、そして表現の中心となる創作媒体も変化しているからです。

これから先、その表現がさらに強く、さらに深くなっていくことを願っています。

【紹介】

フランス人である彼にとって、日本の景色はどれも新鮮なものです。

日本人にとって当たり前の風景でも、彼は魅力を見出し、それらを写真に収めています。

彼の展示会に訪れて、風景の『魅力』を再認識しに来てみて下さい。

〈アーティストの生い立ち〉

2006年:母のハンディカムで「うんち」とふざけて言いながら遊んでいた。

2009年:ガレージセールでフィルムカメラを買ってもらうために駄々をこねたが、結局一度も使わなかった。

2012年:サムスンのGalaxy Aceで自分の頭が爆発する動画を作ったり、妹がオンラインゲームでパスワードを入力する様子をこっそり撮影したりしていた。

2013年:父のコンパクトカメラでボケを多用し、上手くなった気になっていた。でもそのおかげで初めての「クライアント」を得た――父が出会い系サイトのプロフィール写真を撮ってほしいと言ってきたのだ。

2014年:「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」でフォトグラファーになる。

2017年:実際に少し真剣に取り組み始めた……と言っても、インスタのフィルターを使う程度だった。

2018年:初めて自分のカメラを購入し、撮影に出かけるようになった。翌年にはそのカメラを持って初めて日本を旅した。

2020年:コロナの影響で日本に「取り残される」形になった。しかしそれが、今の自分の写真活動の出発点となった。

もともと風景には惹かれていたが、自転車や徒歩での旅、そして日常の景色を記録するうちに、いつも心が刺激されていることに気づいた。 それは自然の風景であれ都市の景観であれ、地元の人にとっては何気ない場所でも、フランス人である自分にはまったく新鮮に映る。 まさにその「慣れのなさ」こそが魅力を生み出すのだ。好奇心なしに見ることができない――その感覚こそが、私の写真の原点となっている。

ここで「魅力(シャルム)」という概念が私の人生と作品に入り込み、以来ずっと付き合い続けている。 魅力は私の作品の中で常に存在しており、それは私が体験した瞬間の文脈的な記憶、感じた感覚、刺激された五感と深く結びついている。 私はそれを、場所全体のビジョンとして表現する。そこには、物理的な要素だけでなく、色、光、音などの無形の要素までもが溶け合い、夢のような調和を生み出している。 それが、私の創作において「その場所のアイデンティティ」を伝える手段である。

簡単に言えば、これは私自身の個人的な活動だ。商業的な目的はなく、世界の「魅力」をアーカイブしていくことを目的としている。 まずは自分のために、そして私たちの世代のために、もしかしたら未来の誰かのために。

単なる芸術的な感性や「アーティストっぽい言葉」ではなく、私は魅力を「生きていることを実感するための手段」だと捉えている。 それは儚くも鋭い感覚であり、その瞬間に「自分が確かに生きている」と気づかせてくれるものだ。